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不倶戴天

以下は、文科省初中局メールマガジン第2号(10月27日付)からの転載です。


□ コラム:まえかわの「ま、え~か」
            前川喜平〔(まえかわ・きへい)初等中等教育企画課長〕

 不倶戴天(ふぐたいてん)」という言葉がある。「倶(とも)に天を戴かず」と読み下す。この空の下でともに生きることはできない、つまりどちらかが滅びるまで戦わなければならない敵対関係という意味だ。義務教育費国庫負担金と三位一体の改革とは、今まさに不倶戴天の関係にある。
 義務教育費国庫負担金をなくして地方税を増やすと、どういう「いいこと」があるのだろうか。「地方財政の自立性確立」というのが三位一体の改革の大義名分だ。義務教育にしか使えない特定財源が、何にでも使える一般財源になるのだから、都道府県の財政の自由度は確かに高まる。財政の都合からは「いいこと」なのかもしれない。しかし、都道府県が国庫負担のレベルを超えて義務教育費を増やすことは今でもいくらでも自由にできるし、現に多くの都道府県がそうしている。だから、都道府県が手にする「自由」とは結局「義務教育費を減らす自由」でしかないのだ。


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